6. Ollamaの基本コマンド理解:pullとrunの違いとワークフロー設計

LLMの利用フローにおける「準備」と「実行」の分離の重要性

LLMを実際に利用する際、モデルの重みファイルをダウンロードする作業と、実際にモデルと対話する作業は、概念的にも技術的にも分離されている必要があります。この「準備」と「実行」の分離を理解することが、効率的な開発フローの第一歩です。

Ollamaの二大コマンド:pullとrunの役割分担

Ollamaには、モデルを準備するためのpullと、実際にモデルを呼び出して対話するためのrunという二つの主要なコマンドが存在します。この二つは、役割が全く異なります。

コマンド 役割 実行する処理
ollama pull モデルのダウンロードとローカル登録 指定されたモデルの重みファイル(Weights)をダウンロードし、ローカルのモデルレジストリに登録する
ollama run モデルの実行と対話セッションの開始 ローカルに登録されたモデルをメモリにロードし、対話型のセッションを開始する

理想的なワークフローの設計手順

実務的なワークフローは、この二つのコマンドを順番に、かつ意図的に組み合わせることで成立します。

  1. ステップ1:モデルの選定とダウンロード(pull): まず、試したいモデルをpullで取得します。これにより、モデルがローカルに存在することが保証されます。
  2. ステップ2:対話テスト(run): 次にrunで対話テストを行い、期待通りの応答が得られるかを確認します。この段階で、プロンプトエンジニアリングやシステムプロンプトの調整を行います。
  3. ステップ3:アプリケーションへの組み込み: 最終的に、このrunのロジックを、PythonやNode.jsなどのアプリケーションコードに組み込み、API経由で呼び出す形に昇華させます。

運用時における重要な注意点

モデルの管理においては、単にpullするだけでなく、バージョン管理が重要です。もし新しいモデルバージョンが出た場合、古いモデルを上書きする前に、必ずollama pull :latestなどで最新版をダウンロードし、古いバージョンとの挙動の違いを比較検証することが、品質維持の鍵となります。

また、モデルの実行にはGPUリソースが直結するため、サーバーの負荷状況を常に監視し、複数のモデルを同時にrunしないよう、リソース配分を意識することが求められます。

まとめ:役割分担を理解し、段階的に進める

pullは準備」「runは実行」と役割を明確に区別し、この二つのステップを意識的に回すことで、安定したローカルLLMの利用基盤を構築できます。