2. OpenClawセッションの停止・応答停止時の原因特定と対処法
背景
OpenClawのようなエージェントフレームワークでは、処理がバックグラウンドで非同期に実行されることが多いため、応答がない状態(沈黙)が発生しやすいです。この「沈黙」を単なるタイムアウトと決めつけると、根本的な原因を見落とす危険性があります。
セッションの停止とは「状態の可視化の喪失」である
セッションが停止するとは、単にメッセージの送受信が途絶えることではありません。それは、エージェントが「現在どのステップで処理を実行しているか」「どのツールを呼び出そうとしているか」という内部状態が、親セッションに適切にフィードバックされなくなることを意味します。この状態の可視化がデバッグの鍵となります。
応答停止時の系統的チェックフロー(3段階)
問題解決は、レイヤーを分けて切り分けることが鉄則です。以下のフローに従って、原因を特定してください。
| フェーズ | 確認すべきポイント | 使用すべきツール/コマンド |
|---|---|---|
| 1. 通信層の確認 | 親セッションとサブエージェント間の接続が確立しているか | sessions_listでセッションキーを確認し、sessions_statusで接続状態を確認する |
| 2. 実行環境の確認 | エージェントが実行に必要なリソース(ツール、環境変数)を持っているか | agents_listで利用可能なエージェントIDを確認し、sessions_historyで過去のツール呼び出しログを確認する |
| 3. ロジックの確認 | エージェントのプロンプトやタスク定義に論理的な矛盾がないか | タスク(task)の内容を最小限のプロンプトで再実行(sessions_spawn)し、再現性を確認する |
タイムアウトとリソース制限の考慮
応答がない原因が「処理が重い」ことにある場合、単に待つのではなく、timeoutSecondsパラメータを適切に設定し、タイムアウト処理を組み込む必要があります。また、サブエージェントの実行にはリソース制限がかかる場合があるため、sessions_spawn実行時には、リソース制限(例:メモリやCPU)を考慮した設計判断が必要です。
まとめ:デバッグは「状態の可視化」から始める
セッションの停止や応答停止は、単なるエラーではなく「状態の可視化の喪失」です。通信層→実行環境→ロジックという順序で、状態を一つずつ可視化していくプロセスを確立することが、安定した自動化システムの運用基盤となります。

