16. Ollama実行時のGPU使用率を正確に監視する手順と注意点
GPUリソースの競合とパフォーマンスのボトルネック
高性能なLLMを動かす際、GPU(特にVRAM)は最も重要なボトルネックになりがちです。単に「動いている」という状態だけでは不十分で、「どのリソースが、どれだけ使われているか」を定量的に把握することが、パフォーマンスチューニングの出発点となります。
GPUリソース監視の基本とツール
GPUの使用状況を監視するための最も標準的で信頼性の高いツールは、NVIDIA GPUをお使いであればnvidia-smiコマンドです。このコマンドは、GPUの利用状況をリアルタイムでスナップショットとして提供してくれます。
監視すべき主要な指標は以下の通りです。
- GPU Utilization (%): GPUコアがどれだけ計算に利用されているかを示します。これが低いのに応答が遅い場合、CPUやメモリがボトルネックの可能性があります。
- Memory Usage (VRAM): モデルの重みやKVキャッシュが格納される領域です。これが上限に達すると、処理が停止したり、極端に遅くなったりします。
- Process List: どのプロセスがどのGPUリソースを占有しているかを特定できます。Ollamaプロセスが意図せず大量のメモリを占有していないか確認します。
Ollama実行時の具体的な監視フロー(構築事例)
実際の運用では、以下のフローで監視を行うことが推奨されます。
- 1. ベースライン測定: まず、何も実行していない状態(アイドル時)で
nvidia-smiを実行し、ベースラインのメモリ使用量と利用率を記録します。 - 2. モデルロード時の監視:
ollama pullを実行し、VRAMが急増するかを確認します。この増分が、モデルのフットプリント(メモリ占有量)の目安となります。 - 3. 推論実行時の監視:
ollama runを実行し、応答が生成される過程で、VRAMが安定的に使用され続けるか、あるいは急激に変動するかを観察します。応答が途中で止まる場合は、VRAM不足やタイムアウトが原因の可能性が高いです。
ボトルネック特定のための追加チェック
もしGPU使用率が低いのに遅い場合、ボトルネックはGPUではなく、CPUやシステムメモリにある可能性があります。この場合、モデルの推論処理がCPUにフォールバックしているか、またはデータの前処理(プロンプト生成など)に時間がかかっている可能性があります。この場合は、htopなどでCPU使用率を監視し、CPU負荷が高い場合は、モデルの実行パイプライン全体を見直す必要があります。
まとめ:監視は「定量的」に行うことが重要
Ollamaのパフォーマンスチューニングは、感覚ではなく、nvidia-smiなどのツールによる定量的なデータに基づいて行うべきです。リソースの増減を追跡し、どのフェーズでリソースが逼迫しているかを特定することが、安定したサービス提供の鍵となります。

